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議員の数を減らすことは無駄削減?

●2003年10月1日、日本共産党不破哲三議長の日本武道館での訴えから

野党のあり方も、選挙戦の大きな争点の一つです

民主党は、憲法改悪も消費税増税も「反対」の立場をとらない

 しかし野党の戦線を見ると、たいへん危険な状況があります。野党第一党の民主党は、憲法改悪にたいしても「反対」ではないんです。消費税増税にたいしても「反対」とはいわないんです。

 憲法問題ではどうかときかれると「論憲だ」といいます。“議論を大いにやりましょう”ということで、そのうち「憲法改定」の民主党案も出てくるかもしれません。つまり憲法擁護じゃなしに、「改定」そのものは結構だ、中身を考えましょうというのですから、最初から一歩譲っています。

 消費税はどうか。増税して社会保障の財源にあてようという考えが民主党のなかにはきわめて有力な形でありますから、これも「増税反対」とは絶対に言わない立場なのです。

 みなさん。よくマスコミでは、一口に与党・野党とまとめて、野党の代表は民主党だと簡単にいいますが、野党といっても、日本の平和と国民生活の根幹にかかわる相手側の大攻撃をめぐって、こういう大きな立場の違いがあるんです。

 私たちは、意見や立場が違っても、自民党の悪政に反対し、国民の要求を実現する立場で前向きの一致点があれば、国会の野党共闘の発展に努力してきました。この立場は選挙後の新しい国会になっても変わらないつもりであります。

 しかし、選挙でどの党を選ぶのか、しかも野党のあり方が問われるときには、野党のなかにもこういう違いがある、どちらの立場が国民の利益になるのか、それを選ぶことが選挙の大事な争点なんだということを、私たちは率直にみなさんに訴えなければならないと思っています。(拍手)

 憲法や消費税での相手側の大攻撃にたいして、民主党がどうしてそういう態度になるのか。民主党の多くはかつては自民党にいたり、一緒に政権を組んだことがある人たちですから、この党の政策そのものが、自民党政治の大枠からなかなか抜け出られないという弱点がもともとあります。

 しかし、それに加えて新しい問題も生まれています。「政権公約(マニフェスト)」づくりといいまして、“政権をとったら当面こうやります”ということを、民主党はいま選挙の中心にすえようとしています。そうしますと、悪政に反対する野党の責任がおろそかになって、自民党はこうやっているが、私たちは、ここをこう変えますということだけが前面にでてくる。やればやるほど悪政反対の野党の立場を、自分で掘り崩す結果になる。こういう問題が最近の論戦の中でずいぶん出てきます。

 私はこれは、野党としては邪道だと思います。

比例代表議席80削減──こんな「政権公約」をかかげる政党がどうして「民主」の党と言えるのか

 しかもその「政権公約」のなかにたいへん危険な“毒まんじゅう”が含まれているのです(笑い)。比例代表議席を八十議席減らす、きょう(一日)も予算委員会で菅さんが小泉首相に賛成かどうかを盛んに追及して、「賛成だ」といわせて喜んでいました。

 選挙制度についての民主党の方針は、やがては比例代表を全部なくして、小選挙区制一本にする、かつて自民党の一番のタカ派的な選挙制度改悪派がとなえた方針です。その第一段階が比例代表の議席を現在の百八十から百に減らしてしまおうという、「政権公約」となって現れているのです。

 比例代表というのは、今の選挙制度のなかでは、国民の考え方、「民意」が一番的確に反映される部分です。民主党以外の野党は、私たちの党も社民党も、多くの議席を比例代表で得ています。それを大幅に減らし、やがては全部なくしてしまうというのですから、これは結局、選挙制度を変えて自分たち以外の野党は国会から追い出してしまおう、こういうことではありませんか。

 そういうやり方で、人工的に二大政党にもっていって、これが二大政党だという体制づくりをする。私は、これは、最悪の党利党略だと思います。

 しかもみなさん、どういう名目でこれを主張しているかというと、政権公約の「税金の無駄遣いをやめる」というところに入っているんですよ。八十議席を減らしたら、五十八億円節約になるそうです。節約をいうなら、みなさん、なんで三百十七億円の政党助成金に手をつけようとしないのでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 選挙制度というのは、国民の意思をきちんと反映するのが一番の眼目であります。それを体現しているのが比例代表の制度であります。その比例代表の制度を「税金の無駄遣い」呼ばわりして、政権をとったら来年すぐその法案を出します、自分たち以外の野党つぶしをすぐ始めます、そんな「政権公約」を掲げる党が、どうして「民主」の党といえるのでしょうか。(拍手)

 私は、このような反民主主義の暴挙は、絶対に許すわけにはゆかないと思います。(拍手)

 みなさん、自民党小泉政治と対決するうえでも、財界の野望を打ち砕くうえでも、二十一世紀の新しい日本に道を開くうえでも、野党のこの二つの流れの、どちらを選ぶのか、このことが今度の選挙で問われているということを、私は強く訴えたいのであります。(大きな拍手)



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